つれづれ道満系

このページは私(はむしん)が実際に目で見、思ったことを正直に書いているページなので、
どんなことが書いてあっても怒らず、笑って許す大人の余裕を持ってご覧ください。


Diary Oct.6 癒し系スケーターの憂うつ/Diary Oct.8 変わってる人達/Diary Oct.13〜14 突っ込んでるバアイじゃない/Diary Oct.19〜20 桐生〜葛西130km1dayロングラン/Diary Oct.21 体力の限界/Diary Oct.27 骨格のせいなんだ!


Diary Oct.27 骨格のせいなんだ!


 ああ、休みたい。風邪気味だし突き指してるし脚は打撲傷だらけだし、ゆっくり寝て休息をとるためにもお休みをください>私の会社。だけどお休みを貰ったら貰ったで滑ったり走ったり泳いだり購買したりしてよけい疲れちゃうんだろうな〜、多分。

 などというわけで、今日も今日とてお昼休みに彩湖へ出勤である(もうこれを何度書いたことやら・・・)。明日の天気予報が思わしくないせいか、今日のうちに遊ぼうという人で、北駐車場はほぼ満車状態だ。んが、東屋に行ってみれば、常連さん達の数は少ない。というか、いる人の半分はアースビートの人達で占められている。そんな中で、正月6日に行われる渡良瀬のスピード・スケートの大会の申込書を取り出して私につきつけてきたのは、ダンナちえ蔵さんだった。
 「はむしんさんは、こういうの渡されると必ず参加してしまう人だと信じているから」
 などと、勝手な言い草を述べたてるのである。ぴらりと開催要項の文面を見てみると、全国ローラースケート・ロードレース大会とある。全国だとぅ?ちょっと待て、あんた達が参加しようとしているのは、ひょっとしてかなりにガチンコな大会なのではないか?行ってみるとそうそうたる太股がずらりと並び、5輪どころかレーシングシューズ標準・・・ってカンジの所に、俺ばっか4輪でへーこら出掛けて行ってど〜するというのだ?・・・・という質問を投げ掛けると、みんなにへらにへらと正体不明の微笑みを返すだけで、はっきりした答えは返ってこない。直感した。これはヤバイ大会である。4ウィーラーなんて、出る幕ではない。それでも例の16000円のレーシングフレームを買えば、なんとか即席5輪を作ることは可能ではある。が、2ヶ月ばかりの準備期間で恥をかかないレベルに持っていくのは、チト無理というものでしょ?というわけで、保留・・・・・じゃなくて、却下だ却下!

 さて先週に引き続き、今週も川崎商会、すーGさんぐらいしかいない割には、ちゃんとパイロンが並べられ、申し訳程度とはいえ、練習をしているのである。とまれ、この面子となれば、やっぱり話題はオープンとなる。ようやく衆目を気にせずにサロモンが切れるまでに復活してきたダンナはさて置き、すーGさんもやっぱり、オープンをやるとボディバランスがおかしい。つうか、二人ともケツを後ろに突き出す・・・というか、下がる状態になってしまうため、そのままでは転んでしまうから前方(やいろんなところ)に腕を突きだし、踊っているような形になってしまうのだ。そのことを指摘すると。『いや、ケツを出さないと股関節が開けないんだ。骨格のせいなんだ!』と言う。なるほど、骨格を持ちだされたら文句は言えないが、そういう言い訳を前面に押し出すと進歩が止まってしまうので、黙って柔軟に努めましょ。ひょっとしたらそう思い込んでいるだけかもよ?

 んで私を含めてオープンクロスすらまともに出来ない連中ばかりのくせに、ついつい足元を見ないでその上を目指してしまうのが道満なんちゃってスラローマーの悪いくせである。人に『ツインヒールオープンをやって見せてくれ』なんて言ってくるのは、オープンスネークを飛び越えてその先に現実逃避をしているのであり、やっぱ練習は初歩からコツコツいかないといけないのであり、そんなもん見てるバアイではないのである。んでも一応ツインヒールオープン(今のところ真っ直ぐ行くことしか出来ない。もちろんパイロンなんて抜けません)をしてみせてやれば、今度は『んじゃあパイロンに入ってよ』と来たもんだ。んだが私がツインヒールをやった時のリーチは実に120センチを超える。140センチ間隔のパイロンなんて抜けるわけがないのだ。何度かトライしても、やっぱ不可能。『ぐわ〜っ、こんなの出来るわきゃね〜よ!!』と喚いたら、ちえ蔵さんがボソリとひと言。
 「でもひで爺は出来るよね・・・・
 むっくわ〜っ!!なんか腹たつ〜。いや、ひで爺なんかオープンでは雲の上の人だからね、勝つとか負けるとかそういう話ではないのだが、なんかムカつく。自分達が壁にあたっているからといって、ひで爺まで持ちだして人の前に壁を作って、苦しみの仲間に引きずり込もうとするそこらへんの魂胆がイヤ。卑劣。ちくそ〜、こうなったらオープンクロスなんて後回しだ。ツインヒールオープンスネーク(長いな)で、来週までにパイロン5本は抜けるようになってやる〜っっ!!!・・・・なんて喚いてる私は、ひょっとして思うツボにはまってますか?


 もうちょっと遊んでいると、kazuさんサトウちゃんがやってきた。今週は歩きではなく、どういうわけか滑ってのご登場である。うーむ、もしかしてこの日記を読んでいるのだろうか?
 さて人数も増えたところでもうちょっとパイロン練習をやったのだが、ふと考えてみれば、サトウちゃんがパイロン練習をやっているのを見るのって、ひょっとして初めてじゃねーか?と、気づく。そういえばいままでCRしてるのとか、LRで転んでるのとか、彩湖で転んでるのとか、どっかで転んでんのとかを見たことはあるが、パイロンを抜けているのを見た記憶がない。そこでじっと観察していたら、妙なことに気づく。
 「おいおい、上半身が動いてないぞー」
 なんか脱力したようなフロントクロスは、足元はそれでも一生懸命動いているのだが、上半身は若干前かがみで垂れ下がり、両手をだらりと下げた格好のまま幽霊のように近づいてくる。両腕を必要以上にブン回すダンナの後に滑ってきたりすると、その差は顕著だ。なんかスゲー極端っつうか、対極に位置するっていうか、凄まじく脱力系ってカンジ。このままではいかんぞ。ダンナほどダイナミックにやるのもそれはソレだが、やっぱkazuさんみたいにカッコよく両腕くの字に曲げてスイング♪指先まで気を使えばcool♪っちゅうか、そういう方向でいかねばならんよ。てゆうか、先ずはちゃんと飯を喰え。


 などと苦言を呈している間に、今日もお時間は終了してしまった。あー、たまには存分にパイロン練習やりたいもんだねー。なんかネタ拾ってばっかりでちっともパイロン上達してない自分が、いま一番のモンダイ。あ〜あ、闇練出ようかなぁ?



Diary Oct.21 体力の限界


 戦い済んで日が暮れて、そしてまた朝日は昇ってくる。タイタンロードの次の日の朝もまた、東京には穏やかな青い空が広がっていた。大きなお祭りが終わったカンジで、なにか『平穏』を感じさせる雰囲気がある。
 昨日の身体のダメージを確認するため、日課のジョギングを、ちょっと多めにやってみた。が、不思議なことにどこも痛くない。ていうか、やっぱり走る筋肉とスケートの筋肉は違うのだな・・・ということを実感。7〜8キロ走ってみてもなんともないのだ。

 朝食を食べた後は、後楽園のプリズムホールで行われる、デサントのファミリーセールに出撃した。デサントといえばル・コックの総輸入販売代理店であり、ひなに稀なるル・コック好きとして知られる私にとっては、まさに『いしだ壱成にLSD』『猫にカツブシ』というぐらいに欠かすことの出来ない大イベントなのである。
 けれどセールで勝利をおさめることは、並大抵のことではない。おばちゃん達のスクリーンディフェンスや肘打ちカットインをかいくぐりながら目的の商品をゲットするのには、ある意味1day130kmよりも過酷であり、その上かき集めた商品の中から予算に合わせて選別を繰り返すのは、極めて強い精神力と決断力を必要とされるのである。約90分の戦いを終えた後は、実際かなりヘボまってしまったのは言うまでもない。

 けれどそのヘボまった身体を圧して、私は道満に向かわねばならなかった。なぜってそれは、ウチのカレンダーに○印がついていたからである。今日は『道満のパティシエ』として知られるくまさんが、東屋にケーキを持ってきてくれる日なのだ。くまさんのケーキは美味であり、しかも道満に限っては無料であり、その意味でも美味さ倍増なのであり、喰い逃すととても悔しい思いをしてしまうのだ。
 まあセールで使ったのは別の意味での体力だし、セール会場までのCRでスケーティングにもさして問題もないことが判ったので、まあ『ちょっとだけよ』ということで、お昼前に道満へと出発した。

 いつもの北駐車場に着くと、さすがに車であふれている。公園内も家族連れでいっぱいで、タイムアタックなんて到底出来そうにはない。そのせいなのかどうなのか、東屋に行ってみればすーGさんべる&りんりんさんダンナ桂馬さんチョッキーさんあたりが、なんだか一列になってくねくねとパイロンを抜けるのをやっている。これが噂のスラローム基礎練習というものか?なんだかとっても体育会である。だけど黙ってみていればヒールトゥだのトゥトゥだの、飛燕だ不知火だの、どんどんレヴェルが上がっていく。これはホントに基礎練習なのか?おまけに難易度が上がっていくにつれ、だんだんクリアがいい加減になって、半分以上の面子がはじめから適当にパイロンを通過するだけになるという有り様だ。本当に習得しようと思ったら、一個一個地道に技を習得していくのがいいんじゃないかな〜なんて思ったが、なんだか楽しそうに練習を繰り返すみんなの顔を見て、ハタと気がついてしまった。おそらくみんなの第一の目的はスキルを高めるということではなく、基礎練習という名の遊びを楽しむことにあるのだ。なんつ〜か、体育会系のノリが大好きな道満sk8erであるから、こういう並んでエッホエッホというのに、限りないアドレナリンの高まりを感じてしまわずにはいられないのだろう。もしくは単純に、なんとなく上手になっていきそうな気がするのがいいという、雰囲気を求めているのかもしれない。それが証拠に、ひととおり基礎練習が終わると、みんなパッタリとパイロンを抜けるのをやめて、また東屋の下でダラダラしているのだ。う〜ん、なんだかな。
 東屋からちょっと離れたシートの上では、くにさんももちゃんが、そんな基礎練習には加わらず、なにやらゴソゴソやっていた。くにさんのゴソゴソの原因は、ニューシューズのBONT Shark Attackである。最近レーシングシューズブームが巻き起こっている道満sk8er達のご多分に漏れず、くにさんもレース用の5輪をとうとうゲットしてしまったのだ。どうやらすーGさんも同じのを購買したらしい。なんだかも〜、みんなどこまでも突き進んでますな。渡良瀬の大会のチーム名をどうするか?なんて話も出ていたが、なんのことはない、堂々と『道満5輪ジャー』と名乗って出撃して欲しいものでございます。

 さてそんな基礎練ジャー達の横でシコシコと本当の基礎練習に励んでいたのが、なっしーさんと、奥さんのじゅんさんだった。こっちは他の連中と違って享楽的ではなく、本当に一生懸命練習に励んでいるのが、見ていて微笑ましい。私自身もちょこっと教えてあげたのだが、なっしーさんはかなりにのみ込みの速い人だった。例の欽ちゃん走り訓練をちょっとやらせただけで、あっという間にクロスが切れるようになってしまったのだからスジがいい。あのひた向きさを忘れなければ、3ヶ月後には抜き去られてますな、こりゃ。
 そうそう、今日は桂馬さんのお父さんと妹さんも東屋に遊びに来ていたのだ。なんだかこの3人、いかにも親子〜ってカンジでキャラクターが似ている。妹さんに至ってはスケートの止まり方(ちゅうか、止まれないっぷり)といい、高デシベルさといい、まさに姉妹ここに極まれりってカンジの似た者加減だ。でも親子姉妹でスケートに来れるっていいよな。ウチもガンバロっと。
 それから申し訳ないこともひとつ。先週ここにアップされた『例の絵』のせいで、ダンナがオープンを非常にやりにくそうにしていたことだ。まあ描いた本人もあそこまで反響があるとは思っていなかったのだが、ひとつそこは気にせずにガンガンサロモンを切って行ってもらいたい!あのダイナミックさがダンナの売りだからね〜。

 そんなこんなのうちに、ようやく何やら包みを持ったくまさんとりょおさんが到着した。洋梨やリンゴのパイがテーブルの上に広げられると、道満sk8er 達が富士スバルランドのサル達のように、あっという間に群がりたかってしまった。さすがはプロの味っつうか、やっぱこういう湖畔でスポーツをかましながら食べるのが、さらに美味しさ倍増なのである。沢山あったパイは見る間に数を減らし、とうとう残り1切れになってしまった。「最後だよ〜!誰か食べる人いる〜?」と桂馬さん。すると3秒置かずに桂馬さんの妹が、「じゃやあたしが・・・」と言ったかと思うと、すぐさま残りの一切れを口の中に放り込んでしまった。なんじゃこの漫才みたいなやりとりは?とにかく似たもの姉妹だよな、ホントに。

 さてしっかりパイを味わった後は、腹ごなしにちょっとパイロンの練習だ。んが、オープンをやると若干股間の筋肉がキリキリする。なんとオープンに使う筋肉は、LongRunで酷使される筋肉(多分内側へのキック)と一緒の筋肉だったのだ!なんて、どーでもいい事柄に気づいたりしていると、不意に奥様からの電話が入った。そういや昼食は家族で一緒に外食することにしていたのだ。というわけで、本日はここで終了。

 それでもなんとなく運動したりないので、夕方は区営プールで「平泳ぎで1000mだぁ!!」なんて、先週のリベンジを試みることにした。平泳ぎとスケート筋は別物だから大丈夫・・・・とばかりにザブザブ泳いでいたのだが、800mを超えた辺りで、なんだかずぶずぶと妙に身体が沈みだしてゆくのである???あやや、どうしちゃったの俺?とか焦ったが、もうちょっと沈むまで考えてみてから、ようやく得心がいった。『体力の限界』にいってしまったのだ。よくよく考えてみれば無理もないわな。実際もういいお歳なのよ。ヘボヘボのご老体なのよ>自分。というわけで、今後は年齢を良くわきまえて行動したいと思いますので、みなさまくれぐれもよろしくお願いいたします。


 おまけにここまで書いてきて、物忘れまで激しくなっていることを確認。今の今まで忘れていましたが、東屋に飲み残しのグレープフルーツジュースの空き缶を放置してきちゃったのは私です。全くファッションスケーターにあるまじき行為だね。誰か知らないけど捨ててくれた人、すいませんでした。ありがとうね。




 は〜っ、ホントに歳だな。



Diary Oct.19〜20 海までの長い道のり 桐生〜葛西130km1dayロングラン


 富める者にも貧しき者にも、努力する者にも怠ける者にも、準備と練習に余念がない者にもそうでない者にも、時は平等かつ冷酷に訪れるのであり、『なんつうか、そこら辺どうにかならんもんかね?』などと泣きが入っていた私とて、その例外ではない。まあウダウダ言わないで単刀直入に言うのなら、とうとう130km1dayの日がやって来てしまったのである。この期に及んで心の準備が出来ていないヘタレの私は、重い脚をずーるずーると引きずりながらも、とりあえずは出発地の桐生に向かうため上野駅へと向かったのである。やっぱ無理なんじゃんやんやんやんやんやんやん・・・・。と、耳の後ろの方から誰かの声がこだましてくる。やだな〜。
 こそ練掲示板や、RightさんやらUNOさんやらのHPを見る度に思うのは、どうやらみんな試走やら鍛練やらに余念がないということだ。なんでだ?会うとみんな、先発組の人はゆっくり楽しく行こうねって言うくせに、なんでそんなハードな鍛練やら訓練やらに明け暮れるんだ?私なんか、道覚えの55km(ぐらい)一本だけで、道満に行っても、頑張ったときですら周回は2周ぐらいで飽きちゃうぞ。準備だって道覚え以降は、懐中電灯1コ買ったのと、『う〜ん、このシャツの色使いはたまらんな。130はこれでいいじゃん。購買購買〜♪』なんて服選びに精出してただけだというのに。つうか、ひょっとして俺だけピクニック気分?準備不足バリバリですか?川間あたりで撃沈決定ですか?・・・な〜んて、日に日に恐怖は増大してくることおびただしかったのである。

 上野駅から東北本線の通勤快速にのると、道覚えの時とは打って変わって、車内は大変な混雑だ。ネクタイの人とかOLの人ばっかりでスシ詰め状態であり、一人だけバリバリレジャースタイルを醸し出している私は、その引け目からか、単に立った位置が悪かったのか、小山の駅まで今までやったことの無いような恥ずかしい不自然な格好をず〜っと強要され続けて、さっそく心身共にヘボヘボにヘボまりまくってしまった
 小山駅構内をヨロヨロと乗り換えの両毛線のホームに向かおうとすると、コンコース脇にある喫茶店の中から、こちらに手を振っている人がいる。ZAZU姐ェだ。なんだかま〜、よく電車がご一緒になることで。
 両毛線の中ではZAZU姐ェの携帯に次々と、各参加者からの情報が到着してきた。ほんまくんが風邪ひいたとか、えっさんがいま家出たとか、たいちさんが一本前の電車らしいとか、そりゃあもう色々だったのだが、中でも一番驚いたのが、『太陽と月がなくなってる!』という、masaさんからの一報だった。「太陽と月」は、今晩みんなで夕食を食べることを予定していた評判のエスニック料理屋さんである。ナシゴレンとかミーゴレンとか春巻きとかを、美味しくいただく予定だったのだ。こりゃショックがでけえ!いったい今晩の夕食はどーなるんだ!あんまりショックがでかかったので、ZAZU姐ェとmasaさんは思わず下品な下ネタメール交換会を開始してしまったほどだ・・・って、こりゃいつもの事か。
 なんてやってる間に、桐生駅到着。結局夕飯は太陽と月跡地のちょっと先にある「魚民」でとることにして、一旦それぞれの宿にチェックインすることにした。
 私の宿はUNOさんが予約してくれた「花月旅館」だ。おばあちゃんとおじいちゃんがやっているアットホームなお宿で、増改築を繰り返したらしくって、建物は奥の方ににょろにょろと長くなっている。私らが相部屋する部屋は、その一番奥だった。でも、まだ誰も来ていない。

 魚民に向かうためにZAZU姐ェと待ちあわせると、たいちさんとたけさんが一緒に現れた。たけさんはこの前の週一人で今回のコースを試走してみたら、なんと7時間50分で滑りきってしまったという、健脚のニーチャンである。抜け駆けでぶっちぎりのタイムを出してしまったことにしきりに恐縮していたが、今回のメンバーにそんな事で怒る人はいません。火がついた人はいるかもしれないけどね。
 魚民に着くと、masaさんとはまちゃんが既にお食事終了・・・ってカンジで待っていた。masaさんあたりは若干火がついている様子で、明日が怖ェ〜よ。まあ取り敢えずはカンパイをして、遅い夕食をパクつくことにした。私はあれこれと明日の不安を並べ立てつつ、たけさんはひたすら恐縮しつつ、ZAZU姐ェは例の如くお気楽に、たいちさんはお店の女の子をチェックしつつパクパクゴクゴク。気がつくとたいちさんあたりはすっかり顔が真っ赤になっている。あと6時間ちょっとでスタートなのに、大丈夫なのか?なんて、人のことを心配している自分の顔も、若干ポカポカしている。ヤベ〜な〜。

 みんなと別れてふらふらと花月旅館に戻ると、ますださんが到着していた。もうお風呂をいただいた様子で、浴衣に着替えてサッパリしている。それじゃ私も・・・ということで、ひとっ風呂浴びている間に、今度はNOBUさんカワハラさん、UNOさんが相次いで到着。気がつくとありゃ、4人部屋中3人がPerseus Alphaのユーザーであるという異常事態に・・・。今回はPerseusで130kmに参加するカワハラさんに、そりゃあ無茶だよ。Perseusは観賞用なんだ・・・などと、UNOさんと一緒に好き勝手なことをほざきあう。UNOさんの方は例のScreamerのシューズに、今回は新しく手に入れたVitesseのフレームを装着してきていた。なかなかテカテカでいい感じ。ウチのEliteにくっつければ、2万もかけずにVitesseもどきにすることが可能じゃん。こりゃあ悪くないな。
 なんてドタバタしている間に、あっという間に12時が近づいてきた。もういい加減寝なくちゃダメでしょ!と言うことで電気を消すと、暫くして頭上の方でバキィと、鈍い音。どうやらNOBUさんが敷居の桟に頭をぶつけたらしい。カワハラさんはデカイゆえに、布団から足がはみ出るはみ出ると呻き声を上げている。ん〜、こんなドタバタしていて明日は大丈夫なんかな〜・・・・などと不安に思いつつ、戦い前の夜は更けるのであった。


 気がつけばぐっすり寝ていたようで、目覚ましに叩き起こされたのが3時45分。さっそくアップを兼ねて、まだ暗い桐生の町を、川までジョギングしてみる。もっと寒いかと心配だったが、気温は走っていても手の甲がかじかむ程度で大したことはない。こりゃあいいコンディションで滑ることが出来そうだ。
 旅館に帰ってくると、同部屋の皆さんも既に目を覚ましていた。こちらが眠っている間に到着したらしいninoさんなどに至っては、既に準備万端完了していたぐらいだ。おいおい、ちゃんと寝たのか?
 
とにかくみんなのテンションがギンギンに高まってきているのが良く判る。こっちも急いで装備を完了すると、出発地点のセブンイレブン前に向かった。
 朝5時出発の先発隊の総勢は14名。さすがに130kmともなると、見知った顔が多い。顔が判らなかったのはひょうどうさんぐらいかな?ZAZU姐ェにたいちさん、ますださん、NOBUさん、よしみさん、えっさん、ninoさん、UNOさん、Rightさん、カワハラさん、ほんまくん、後発隊のmasaさんも見送りに来ている。んな中で唯一人、アグブーツをガチャガチャいわせてたのがbakaちゃんである。LRはいつでもアグブーツで参加が基本(ってゆうか、他はレース用5輪しか持ってないらしい)のbakaちゃんは、今回も当然の如くアグブーツでの参加なのである。他の人がやれ80ミリだ軽量化だと騒いでいる中で、漢は黙ってアグブーツ!素晴らしいスピリットである。決して見習いたくはないが、積極的に讚えていきたい。あんたは偉い!

 さてさて出発である。まずは早朝の桐生の町を、渡良瀬川の土手まで駆け抜ける。危うくセブンイレブン前にハンドプロテクターを置き忘れてしまうところだったことは、ここだけのヒミツだ。さすがに道はスカスカで、あっという間に錦桜橋へとたどり着いた。ここでオリエンテーション。この期に及んで道がわからない不届き者は何人いるかということになって、私とカワハラくんともう一人が手を上げる。なーんだ、俺一人だけじゃなかったのね。それじゃあこの3人は一人にしないように・・・・ってことで、改めてスタートと相成ったのである。
 とはいえ、市街と違って街灯はない。あたりはまだ真っ暗だ。『明るい電灯持ってる人が先行って〜』というたいちさんの声に、私はこの前買ったばかりの高輝度キセノン豆電灯を帽子に差して、勇躍トップで滑り出したのであった。
 というのは、今回実はひとつの作戦を立てていたのである。それは、ジッサイ全行程の1/3ほどしかルートを知らない私は、後半未知のルートにさしかかれば、心理的にヘボヘボになることは目に見えている。ならば知っている栗橋までのルートをある程度ハイピッチで乗り切って、後半にたっぷり時間のマージンを残してやろうというものだ。名付けて『そうすりゃ後半へばっても大丈夫でしょ作戦』である。
 弱い追い風も相俟って、ペースは順調。キセノン電灯でも路面の状態は把握できないが、サイクリングロードを散歩しているおじいちゃん&おばあちゃんの発見には必要充分だ。こっちが『オハヨウゴザイマ〜ス!」と声をかけると、おばあちゃん達も『オハヨウゴザイマス〜!」と声をかけてくる。それを何十回も繰り返している間に、空は次第に紫になり、赤になり、黄色から、そして青へと変わった。
 おおよそ1時間ちょっとで、緑橋の先の公園に到着。最初の休憩地だ。身体が温まってきたのでみんなそれぞれ服を脱いだりドリンクを飲んだりしていると、ふくらはぎに不安があるのでペースを抑えているえっさんと、アグブーツ故にペースの上がらないbakaちゃんがひと足遅れて到着してきた。おや、見るとえっさんのCirrusの、片側の2番のウィールが無くなっているじゃないか。『ありゃ、気がつかなかった』と、えっさん。あと110kmもあるのに、片方3輪になってしまったのはキツイ。でも引き返しているわけにもいかないので、このまま先へと進むことにした。
 次の休憩地点はmajiさんうんこの橋だ。正式名称はなんていうんだ?時間はまだ2時間たってない。ここで入った連絡で驚いたのは、はまちゃんが緑橋のあたりで脚が攣っちゃってリタイア!という情報だった。あのはまちゃんが10kmぐらいで脚を攣らせるなんて、にわかに信じがたい情報だ。だけど事実だとしたら、こんな序盤にそんな状況では、悲しいけど完走は難しい。他のメンバーに迷惑をかけないための、苦渋の選択だったのだろう。だが我々は我々で先に進まなければならない。とにかく完走するのだ。そうしないと、そうしてくれた意味がなくなっちゃうもんね。
 さてそこで朝食はどうしようという話になった。大部分の人は滑りながら何か食う予定らしく、例のうどん屋さん「田舎屋」で朝定食を食べたいというのは私とよしみさんのたった二人だけ。ならば先行して食べましょうと言う事で休憩もそこそこに滑り出すと、どういうわけだか3〜4人が後ろにくっついてくる。『やっぱみんな朝定食を喰いたいのかな〜?』と思いつつ、藤岡の公園脇を滑り抜け、一気に田舎屋へと到達した。が、たどり着いて振り返ると、よしみさんの姿が見えない。一緒に来たNOBUさんやカワハラさんも、別に田舎屋に入る気は無いと言う。なんじゃそりゃ?んじゃ田舎屋で食べるのは私一人だけ?そんなん寂しいじゃん!孤独じゃん!ヤメヤメ!すっかり田舎屋に入る気を無くしてしまった私は、ヤケになってポケットの中のアンパンを齧りだすのであった。全く、なんのために急いだのやら・・・・トホホ。
 しかも田舎屋に入ろうとした時にウエストバッグの中を見ると、なんとゴムサンダルが見当たらないのである。あれ、どっかに置いてきたかな、やべーじゃん!!葛西までたどり着いても帰れなくなっちゃうじゃん!ひょっとして葛西から後楽園までCR!?・・・なんて大焦りしていると、手に何やら黄色いものを持ったRightさんが追いついてきた。
 「はむしんさ〜ん、自分でネタ提供しちゃダメですよ〜」
  Rightさんが持っていたのは、なんと私のゴムサンダルだった。majiさんうんこの橋に置き忘れてきたのを、拾って届けに来てくれたのである。ニクイ!憎いぜRightさん!こりゃ暫く悪口とか恥ずかしいネタは書けないな。でも、とにかくこりゃあホントに助かった!
 さて、実はその頃藤沢の公園の方に、T_ABEC1さんがサポートにやってきてくれていたらしいのだ。気づかずその脇をぶっちぎった私達は当然NOサポート。せっかく来ていただいたのに、全く申し訳ないこってす。よしみさんは恐らく気づいて引き返したのかなぁ?
 さて、そうとは知らずに田舎屋前でお食事を続けていると、NOBUさんがこんなことを口にした。
 「いや〜、ペース速いね。2時間半でここまで来たのは初めてだよ」
 「ホントに、のんびり行こうって話はどうなったんスかね」
 な〜んて適当に相づちを打った私だが、言った後で気がついてしまった。
 そ〜いやここまで先頭ひっぱたの俺じゃん。
 例の作戦の事など半分忘れかけていたのでい〜かげんな返事をしてしまったが、すいませんNOBUさん、前半のペースを乱したのは私自信でした。ちゃんちゃん。

 というわけで、いくらなんでも予定より速すぎるペースで来てしまったことに気がついた私は、とりあえず先頭をNOBUさん達に渡して三国橋を目指すことにした。んが、NOBUさんが渡良瀬浄水池のところへ来ても土手から降りずに真っ直ぐ行ってしまったので(注:ここは真っ直ぐ抜けられるようになったので、真っ直ぐ抜いたほうが早いです)、自然と先頭はほんまくんに・・・こいつがマズかった。

コイツが天然高速スケーター、ほんまくんだ!
 若きターミネーターというか、天然高速スケーターのほんまくんは、先頭にたたすとバンバン行ってしまうんで有名・・・・ちゅうか、とにかく滅法速いのである。私達が浄水池周回路に出る手前のタイル道でツルツル足をとられているのに、ほんまくんはそんなものモノともせずにぐいぐい先に行ってしまう。ペースが下がるどころか、むしろ上がってしまったのだからたまらない。てゆうか、彼はこの後旧江戸川水門までの80kmにおいて、たびたびっつうか、ひたすら集団を引っ張ってしまう事になってしまったのだからとんでもない。後発隊のmasaさんから、『速すぎて追いつかないぞ〜!』と、文句の電話が入り始めたのもこの頃からだ。そらそうだ。30km/h巡航ぐらいをしないと、追いつく計算にならない。追いつけるとしたら、コハマさんあたりか、もしくはほんまくん自身に追いかけさせるしかないかもね?

三国橋手前の、靴ぬぎぬぎポイント
 そんなわけで、途中古河で合流のAMANOさんタケチャンマンさんを加えた一行は、あっという間に前回の到達ポイント、栗橋までやってきてしまった。ここらへんは週中の雨のせいで、道全部が大きな水溜まりになっている。NINJAのベアリングを濡らしたくない私は、モチロン道路脇にエスケープ。みんなもそれぞれの回避行動をとろうとしている・・・・・中、『あたしはつっきるよ〜!!』と、敢然と水溜まりに突っ込んでいこうとする人がいた。ZAZU姐ェだ。が、水溜まりに入った途端にズルンと転倒。そのままいっ直線に水中をズザザザザザ〜ッとスライディングしてしまったのだからたまらない。デーハーに転倒した割には怪我もないようだが、見るとブーツのバックルが1本吹っ飛んでいる。でもそれだけ確認すると、姉御はさっさとまたすぐに滑り出してしまった。へーきのへーなのである。強い・・・、強すぎるぜ。最近姉御に喧嘩を売るザズコラズなどというものが流行っているが、私は絶対喧嘩を売らないようにしよう。そうしよう。でもひょっとしたら、いま姉御が腕痛とか言っているのはこの時やったヤツかもしれない。もしそーだとしたら、それはそれで周りには悟られないように振る舞ってたんだから、やっぱり凄い。

 さあここから先が、私にとっては未知のルートと言う事になる。基本的には体力を温存しながらタラタラと進みたい・・・ところだったのだが、みんなのペースがそうはさせてくれない。中間地点の関宿城がもう見えているというのに、時間はまだ9時半にも届かないぐらいだ。やっぱ鍛練を積んでる連中は違うね。ヒイヒイ言ってるのは私ぐらいで、他には見当たらない。境大橋を渡って長いスロープを下っていくと、、前を行くたいちさんとninoさんが急停止した。しまったー、油断した〜!!!!思わず二人を避けて道路端を進むも、見るとその先は砂利と草しかねーでやんの!ぐわーっっっと体勢を崩して手をつくと、膝と手と靴からガリガリガーっという音が聞こえてきた。もー殆ど転倒みたいなもんだ。それでも怪我をしなかったのは幸いだが(若干股関節はひねったけどね)、装備的ショックはでかいなー。特に膝プロテクターはザリザリになってしまった(;_;)
 すっかりブルーな気持ちで関宿城の公園まで上っていくと、こちらへ向かってカメラを構えている男の人がいた。yugeさんである。私のようなひよっこスケーターなんかからすると、もう大先輩にあたるような人なのだが、今回は快く1day130kmのサポートを申し出てくださったのだ。事前に頼んでおいたアミノバイタルもさることながら、無料でくばってもらったバナナとミカンは本当に助かった。ここではみんなすっかりサルになって、2・30分ほど休憩。たっぷり鋭気を養ったのである。
 だが大失敗だったのが、ちょっとトイレに行っている間に、みんながすっかり準備を整えて、次の川間に向かって出発し始めてしまったことだ。慌てて準備したけれど、もうみんなの姿はどこにも見えない。NOBUさんともう一人誰かが、遠くの方に霞んで見えるだけだ。げげげ、置いてきぼりかよ!!こういう状況を、実は一番恐れていたのだ。前走者はかなり速力のあるNOBUさんだから、追っかけても追っかけてもなかなか間は縮まらない。どころか、ズルズル引き離されていくカンジ。なんかスピードのノリがえらく悪いのだ(これは路面がかなり悪かったせいなんだけどね)。こーなると、『うーん、知らず知らずのうちに疲れが溜まっていたのか?』とか、『やっぱ、さっきひねった股関節がきいているのか?』とか、マイナスの思考ばかりが頭に浮かんでくる。この状況はダメダメだ。このままではまだ余力があって痛いところもないくせに、滑り続けるのがイヤになっちゃったからリタイアという、かなり恥ずかしい事態になってしまいかねない。それだけはなんとか避けたいので、橋での信号待ちでNOBUさんに追いついたのをいいことに、必死になってその後ろにくらいついた・・・ちゅうか、NOBUさんも見兼ねて若干ペースを落としてくれたようだ。なんとかみんなの待つ川間までたどり着いたが、この区間が間違いなく、本日最大の地獄だったと言っても過言ではないかも。やっぱ、みんな一緒に滑ろうよ、ねっ(涙)
 このあたりから、弱い向かい風が混じってくるようになった。心理的にすっかりヘボまった私は、ここでは完全にひっつき虫作戦に徹することにした。つまりは、風よけを求めてペタリと誰かの背中にはりついてしまうのだ。しばらくはたいちさんにくっついていたが、これはかなりくっつきやすい。でも本人が向かい風に音を上げてしまったので、今度はカワハラさんにくっつこうとする。デカイだけにかなりの風よけ効果が期待できたのだが、基本脚力というか脚の長さが違うので、ひっついているのはかなり辛い。あっという間に今度はこちらが音を上げてしまった。もっともくっつきやすいのは、本気でないときのマスダさんである。風よけ効果もばっちりだし、ストライドも奇麗だからとても合わせやすい。こりゃあいいや〜なんて喜んでいる間に、今度はらくらく三郷はサティ脇に到着。んが、ズルしていた私はともかく、ここら辺を辛がってた人はかなり多かったみたいだ。
 ともあれ、三郷への到達時刻はなんと12時ちょっと過ぎ。100キロを殆ど7時間で滑りきってしまった計算になる。それって俺の100キロタイムアタックにおける目標タイムじゃん。なんだかな〜。後続が追いつけないワケだわ。とにかくタイム的にはこれで満足ぢゃ。もうタイムアッタクに出る必要はないわな。な〜んて自己満足しながらヘタリ込んだが、どうやら似たような満足を覚えた人はいっぱいいたらしい。ここで大きく離れたえっさん達や、後発隊のみんなの到着を待とうという事になった。
 その間に食料補給だ。Rightさんがサティまでの買い出しを引き受けてくれることになった。なんだか余裕あるぢゃん、Rightさん。実際チビていないウィールを履いたRightさんのパフォーマンスは素晴らしく、今回は全般を通してトップグループの方を滑り続けている。わたしなんざもう、半分立てないぐらいなのにね〜。とにかく、Rightさんが振る舞ってくれたバナナとほんまくんが振る舞ってくれたアイスバーを頬張りながら、疲労回復に努めること30分以上、まずは先行の二人を追い抜いてきたmasaさんがぴっちりタイツ姿を現した。この人はやっぱり燃えていたのね。魚民で予感したことは間違いではなかったのだ。遅れて、今度はえっさんとbakaちゃんの二人が到着。bakaちゃんの方は元気だが、えっさんのほうはふくらはぎをかばいながら滑り続けたせいか、疲労困ぱいなカンジ。おまけに3輪で滑り続けたCirrusのフレームも怪しくなってきたこともあって、海まで30kmを残してリタイアを決断することになった。もうちょっとだから頑張ろう・・・なんてえっさんに言ってしまったが、そんな事はえっさんが一番判ってることで、無念だったことだろう。でもその精神力があれば、来年は完走できると思うよ。
 逆にいいニュースもひとつ。てっきりリタイアしたと思っていたはまちゃんだが、実はいつの間にか復活して、こちらを追走してきているという連絡だ。さすがというかなんというか、よくも脚を攣らせた後で、一人っきりで追い上げてくる気になるものだ。追い上げてくるといえば、桐生を後発隊のさらに2時間遅れで出発したうんのさんも、たった一人でこちらを追走しているはずである。なんかもー、たいしたものだ。絶対に真似できないな〜。

ぴっちりmasaさん / 休憩中の皆さん / ガーガーいわすbakaちゃん

お疲れえっさん / 余裕のたじさん / くにさんとたけさん
 さらにもうちょっと待つと、後発隊のみんなが続々と雪崩れ込んできた。まずはたじさん。そして、くにさん、たけさんと坂を上がってくる。最後にちょっと遅れてMARUさん。今日は若干調子が悪そうだが、それでもたじさん達にきっちりついてくるのだから大したものだ。一年前に会ったときは、もっと普通の人だったのにねぇ。

 というわけでようやく後発隊の人達の顔も見れたし、再び海目指して出発である。えっさんに別れを告げ。再びしこしこと滑り出す。が、さすがに30キロを切ると、どんどん減っていく海までの距離標識に、モチベーションの方は上がりまくりだ。だがそれと前後するように、通行人の数は多くなり、切れ目のある滑りにくい路面がちょこちょこ姿を現すようになった。なかなか順調にピッチが上がらない中、今度は海まで20km、寅さん記念館の前で小休止だ。おなじみのテーマソングがかかりだしそうな雰囲気の中、アイスキャンデー売りのおじさんが、買えよ買えよと小鐘を鳴らし続けている。こりゃあ我慢はできんよな。目一杯疲れた雰囲気を醸し出しつつ、『おぢさん、1本ちょうだい』なんて言うと、なんとおぢさんは向こうからアイスを持ってきてくれて、集金していってくれた。ありがとうおぢさん。ナイスサービスだよ。つうか・・・・そんなに疲れて見えましたかぁ?

マスダさんハトに囲まれるの図
 その後も一行は順調に残り距離を減らしていく。旧江戸川水門の脇を抜けると、残りはもう10キロばかりだ。こりゃあ元気が出るでしょう・・・とばかりに、トップに出たZAZU姐ェの後ろに食らいついた。つうか、道を知らないから誰かの後ろにくっついていくしかないんだけどね。水門の先は川の流れのすぐそばを通る、狭くて入り組んだ道を進んでいく。距離標識なんか消えちゃったから、あとどれくらい距離が残っているのかは判らないが、遠く見えてきた建物のシルエットでゴールはさほど遠くないことが判った。そう、ディズニーランドのお城が見えてきたのである。
 「うぉお、見えてきた!」
 と、誰かが叫んだかと思ったら、同時にninoっちが、びゅんと勢いつけてこちらを追い越していった。姉御をもぶっこ抜いたninoっちを見て、こちらも慌てて姉御の前に出ると、ninoっちの後ろに食らいつく。なんでそんな事をしたかというと、こりゃあもう漢の本能である・・・・つうか、いよいよラストスパートに距離に入ったんだということを、ひしひしと肌で感じたからだ。だが後ろを見ると、なんとほんまくんが、いつの間にかぴったりと張り付いてきているじゃないの。『おいおい、それはないんじゃないの?』意外なところでサンドイッチ攻撃を受けてひるむ俺。満を持してスパートしてきたninoっちはというと、これが滅法速い。こりゃさすがに付きあいきれんという事で、「先行っちゃって!」とほんまくんを先行させることにした。するとこれがとんでもない勢いでninoっちを追いかけていって、あっという間に見えなくなってしまう。つうか、それってヤバイじゃん、俺道知らないんだから・・・と焦ってたら、後方から新たなる追走者が追いついてきていた。
 「追いつかれると、ZAZUに喰われるぞ〜♪」
と、余裕いっぱいに声をかけてきたのがmasaさんだ。すぐ横にはたいちさんの姿もある。妻も子もある身なので食われちゃたまらんと、さらなるスパートを試みた私だったが、さすがにもう脚があがらんというか、内側に蹴る力がヘボまりまくって、脚がバタバタ空回りするだけでちっとも加速していかない。その横を、『この坂を越えて、もう一つ登るとゴールだよ〜♪』などと具体的な案内をくれながら、masaさんとたいちさんがあっさりと追い越していく。なんだかちょっと悔しいけど、そうか、ゴールまであと僅かかなのか・・・などと安堵のため息なんか漏らしていると、いきなりもう一人、「にょ〜ん」などというヘンな擬音を口から発しながら、ゴール寸前で人様をぶっこ抜いていった、奇妙に鼻筋だけは通った男がいた。ファイブ・ウィーラーのくにさんである。おいおいそれはないだろう?人がこれだけ苦労しているのに、少なくとも『にょ〜ん』はないんじゃないか?「どちくしょ〜っ!!!!」と叫びながら後を追いかけたが、もう間に合わない。その場がゴールだった。

 高架道路下のゴール地点で待っていると、みんなが次々とゴールしてきた。余裕いっぱいの人もいれば、坂の手前でやれやれと背中を丸めてから、もう一回気合いを出して漕ぎだした人もいた。
 そして最後のランナーのbakaちゃんがやって来た。みんなから拍手が沸き起こる。だって、130kmをとうとうアグブーツで滑りきってしまったのだ。しかも本人的にはまだまだ余力充分ってカンジ。まったくほんまくんといい彼といい、一体何を喰って大きくなったんだかな〜?

 葛西の公園内に移動すると、くさっちさんと、そしてえっさんが我々を出迎えてくれた。えっさんは三郷でのリタイア後、電車で葛西まで移動して、みんなに缶ビールを差し入れる為に待っていたくれたのだ。まだ脚もつらいだろうに、感謝感激である。乾杯!の掛け声と共に呑み込んだビールは、そりゃあもぉ最高の味でしたぜ
 その後は記念撮影の後、葛西レストランに移動して打ち上げ。やっぱ来年の事が話題になって、160kmだの180kmだの210kmだのという物騒な話が飛び交いあう。んが、G1に出たときは『もう暫くLongRunなんてやりたくねーよ』なんてヘボヘボに気持ちがヘボまりまくったものだが、今回はそうでもない。滑った直後だというのに、まあ来年も参加しちゃってもいいかな?と思えるのは、多少なりとも精神が成長したのかなぁ?と思ったりする私だった。

 さて単独追走のはまちゃんは、この後対岸側にルートを選んでしまったこともあって、葛飾あたりは越えたものの、やっぱり無念の途中リタイアということになったらしい。本当に残念だったとは思うけど、それでもここまでやって来れたのは充分ものすごいモノがあると思うのだ。うんのさんは打ち上げから1時間ちょっと遅れて、ZAZU姐ェを始めとする居残り反省会組に迎えられてのゴール。途中犬に噛まれたりしてそれは大変だったらしいけど、それでも単独で10時間の走破というのはたいしたもんだ。どちらにしても、私には到底真似出来ましぇん。

 そんなわけで、色々あったけれど、なんとか無事完走することが出来て、個人的には大満足の1day130kmであった。まあ、余裕だったぜ・・・・などとはとても言えないが、決してトライできない壁じゃありません。今回指をくわえてた人は、来年こそこの面白さを体験してみてください。特にZAZU姐ェは女性の参加者を募集しています。道満あたりでくるくる回ってばかりいないで、たまには出てこぉ〜い!!!っちゅうことですな。
 それから一緒に参加した皆さん、サポートしてくれた皆さん、そして応援してくれた皆さん、本当にありがと〜ございます。それじゃ来年も、ガンバロ〜!!って事で〜。



 あ、来年はほんまくんは先発禁止ね。



Diary Oct.13〜14 突っ込んでるバアイじゃない


 雨の中仕事をやるのは憂鬱でいただけないが、素晴らしい秋晴れの日にお仕事をやるのもまた憂鬱でありやるせない、んじゃあどうすれば憂鬱じゃないのかと問われれば、まあ中途半端な薄雲が空一面を覆う、一見うっとおしいぐらいの天気がいいなあ・・・・なんてアンニュイな意見しか出てこないのは、今日もまたまたウチの会社が休日出勤であるからに他ならない。
 抜けるような青い空なんだよ!お仕事でなければとってもハッピーな気持ちになれるんだよ!つうかサボっちまうかこの際?なんて思ったが、大人の社会人としてはそうもいかない。仕方がないので今日も今日とてお昼休みを抜け出して、彩湖へと向かう私だった。

 それにしてもナイス天気である。あんまり奇麗な青空なんで、北駐車場ではデコ1BOXの方々が集まって、ドレスアップしまくった自慢の愛車の撮影会を開いていた。紫ラメやらイグアノドンのようなノーズの1BOXは大黒ふ頭で会ったらノーサンキューだが、青空の下でレフ板まで用意して写真をとっている彼らは誰もニコニコして、なかなかにほのぼのとした光景を作り出している。
 そんな脇をシュコシュコと滑り抜け、東屋へとやってきた。今日も今日とて、ちえ蔵&ダンナ290さんすーGさんあたりがたむろをこいている。ふと横に目をやると、おや、光ケ丘の相馬パパもファミリーで来ているぢゃないか。最近彩湖はお客さんが多いのである。

 さて、最近ダンナは新しく買ったST-70がことのほかお気に召したようで、アグブーツで負荷をかけるトレーニングにご執心だ。この間は周回を14分台で回ったらしいし、スラにもアグブーツで挑戦し、どうやら通勤にも使用して色々鍛えようとしているようだ。どれちょっと履かせてくれよと手に取ると、おや、随分軽いゾ。ウチのFifthelementより200gばかりは軽いんじゃないか?いかんな〜。これでは筋力は鍛えられても漢(おとこ)は鍛えられんぞ。やはりそこいら辺を鍛えるには、是非ともあと200gばかりバラスト(重り)を積む方向で行っていただきたい。なんて思いつつ脚を通すと、やっぱ軽い軽い。ステップがぴょんぴょん切れるので、踊り関係にはもってこいだね。んだが滑ってみると進みが悪い。なんぢゃこのベアリングは?Fifthの時もそう思ったが、なんかアグブーツのベアリングは真面目に作ったとは到底思えんほど、ヘボヘボなものが付いている場合が多い。つうか、ひょっとしたらパチ物が使われているかもしれない。ABEK 3とか書いていないか、良く注意して見ることが必要だろう(嘘)。まあ、漢を鍛えるのにはいいかもしれないけどね。

 それにしても、先週も思ったが、午前中から出勤しているスピード寄りの人達は、なぜかオープンがヘボヘボだ。難しい漢字技(不知火、飛燕とか)なんかはちょこちょここなすくせに、ちえ蔵さんなんかパイロン入るどころかオープン自体が出来なかったりするのがよくわからん。ダンナもかろうじてオープン自体は滑れるのだが、サロモン嫌いのK2好きであるくせに、何故かオープン中には全身でサロモンマークを作りながら滑っていることに、どうやら本人は気がついていないようだ。

ダンナのココロとはウラハラなオープン

 そうこうしていると、カマキリ広場の方からサトウちゃんKazuさんを中心とした一団がテクテクと歩いてきた。なんかいつもこん人達は歩いてるな〜。けっこう北駐から距離があるのに・・・。なんと今回は、いつもはCRとかでしか見かけないあきこさんも一緒だ。『いいところだね〜』なんて言っていたが、まあこの時期に来た方々は、みなさんそうおっしゃいます(夏や冬は勧めないけど)。秋の彩湖なんて、一日ダラダラしているには最高の環境だもんね〜。最近すっかりリゾートづいてきたウチの連中がそれを証明してます。さっそくピクニック気分でみんなでロールケーキなんかをパクついていたけど、ポロッと落っことして、Kazuさんが腿のあたりに恥ずかしいシミを・・・・
 な〜んてトコまでチェックしている間に、お昼休みの時間が終わりを告げてしまった。どうにも最近慌ただしくていかんよね。慌てて北駐車場に舞い戻ると、デコ1BOXさん達がまだ一生懸命に撮影会を続けていた。


 夕方もちょっと顔を出そうかとも思ったが、あっという間に暗くなってしまったので、しかたないのでプールに行くことにする。昼の1時間弱では、到底運動し足りないのだ。『夕食前に平泳ぎで1000mじゃ!』と、またぞろ妙なテンションと共に泳ぎはじめた。1000mというと、狭い区営プールでは、実に40回もターンを繰り返さなくてはならない。数えているだけでも大変だ。だがトロい泳ぎながらも調子は良かったので、39回目のターンを終えたとき、『よ〜し、最後の25mは背泳ぎでフィニッシュじゃ!』と、妙な色気を出したのがいけなかった。5mもいかないウチに、左ふくらはぎにピキッと激痛が走る。うあ〜、攣ったつった!溺れ・・ガボゴボ!!と、突然左ふくらはぎが攣って大パニック。なんとか自力でプールサイドまで辿り着くも、監視員のお姉さんに引っぱり上げてもらう始末だ。だ〜、痛えしみっともねぇ!お姉さんに優しく脚をマッサージして貰えたのが救いといえば救いだが、こりゃあヤベエ、まともに歩けん。
 結局翌朝起きてもまともに歩けず、朝風呂してマッサージしたらようやく多少は動けるようになった。ジョギングするのも遅いし痛い。こりゃあ今日はスケートは無理かな〜と思ったが、午後になってスケートを履いてみたら、これがどういうわけか具合がいいのだ。もちろんふくらはぎは痛いままなのだが、走るときほど邪魔にはならない。走る筋肉とスケートの筋肉は全くの別物であることを改めて確認(ついでに背泳ぎの筋肉もな)。というわけで、夕方になってから彩湖にでっぱつした。

 中駐車場から東屋へやって来ると、もう4時過ぎだというのに、相変わらずスケーターの数が多い。ってゆうか、スポーツオーソリティ謹製の魔性のイスの数が多い。横にびろーんと並べられ、なんだかスケーターの集団なんだか魔性のイスユーザーの集いなんだか良くわからない状況になっている。まああの値段で極上の座り心地が手に入れられるだけに、ユーザーが増えていくのは致し方のない事といえばそうなのだが、これだけずらりと横に並べるのはどういうものだろう?『はむしんさんも早く仲間になりましょうよ』なんて290さんに誘われると、なんかヤバイ妖怪の仲間に引きずり込まれるようで腰が引けまくる私だった。

 今日はUNOさんも遊びに来ていたが、例のごとくゴソゴソとシューズやフレームをいじっている。どうやら件の100mmウィールがTR Racingのフレームに上手く収まらず、ギコギコと削って無理やり入れてしまったらしい。やっぱり何かを間違えているぞ、キミは!なんか工作的興味のためにはフェラーリにだって平然とヤスリを入れそうで怖いぞ、その性格!
 ・・・・な〜んて言ってるが、実は私も土曜の夜、痛い脚を引きずりながら、はまちゃん考案のベアリングの超音波洗浄をトライして遊んでいたのだ。詳しくは後日レポートするが、とりあえずは3倍も回るようになったベアリングを試すため、今日はそいつをPerseus Alphaに装着して持ち込んでいた。やっぱテストするでしょう!

 本当はタイムアタックをしてみたかったけれど、外周は週中の雨で使い物にならないという。でも内周はかろうじて通れるというので、ちょうど周回に出掛けたみんなの後を追いかけてスタートすることにする。件のベアリングの具合はかなりいいカンジ。くりくり回ってスピード落ちが少ない。こっちはテストなので、のんびり周回するみんなの横を追い抜いて、若干速めのペースで裏手のワインディングへと突入した。コーナーをひとつふたつ、みっつと回ると、うをっ!水溜まりだ!道路が左側の1メーターばかりを残し、巨大な水溜まりになっているじゃんか!危うくメンテしたてのベアリングで突入してしまいそうになりながらも、なんとか回避して、道路の左脇をそろそろ進む。『ふうっ、危ないところだったぜ・・・』と、ここで安心してしまったのがいけなかった。実は前にも2度ほどやってしまっているのだが、ここからふたつコーナーを抜けたところは、舗装が切れて人工芝みたいなのが敷いてあるのだ(どうやら野生動物が移動しやすいようにという配慮らしい)。一安心してすっかり無警戒状態になった私は、またしてもノーブレーキで人工芝の上へと突入をこいてしまったのである。
 みぎゃああああああ!!
 必死こいて倒れまいと抵抗するも、さすがに突っ込んだスピードが速すぎた。早々にあきらめて、緊急避難で脇の芝生へとダイブする。
 「あんたは学習するという事を知らんのか〜!!」
 と、後ろからダンナの叫ぶ声が聞こえてきたが、全くその通りだと思った。反論する気も起きん。
 くるりと回ると、空が見えた。大の字になっていたのだ。身体はふんわりと地べたに投げ出され、軽い打ち身さえ無いほどの軟着陸である。やっぱ3回目にもなるとコケかたも上手くなるわな〜。おお、その意味では学習してるじゃん。などと不毛なことを考えつつ、すっかりモチベーションを失ったまま1周目終了。
 でもこのままではなんだか不満足であるし、桂馬さんあたりに転倒のことを笑われるとムカつくしで、またぞろむくむくとモチベーションが復活。2周目に突入だ。裏手のセクションは無難にこなし、管理橋を駆け下ると、インライン履いた小学生ぐらいの兄妹から『カッコい〜!』と声が上がる。ここでモチベーションが一気にマキシマムに達した。子供の声援でパワーアップするのは、恐らく私の血の根底に流れる正義のヒーローのDNAがなさしめるものに違いない。ぎゅんぎゅんぶっ飛ばして表のストレートを駆け抜けると、ちえ蔵さんがカメラを構えて立っていた。パチリ!さぞやカッコ良く写ったろう。絶対そうだろうと、不肖私は確信せずにはいられなかったね。・・・・・んが、後日アップされた写真を見ると、あんま速そうじゃね〜な。ちぇっ。
 やれやれと帰り支度をしていると、りんりんさんにまで転倒を笑われてしまった。普段勝手なことやでっかいことばっかり言っている人間の転倒には、東屋のみんなは冷たいのである。でもまあ、おいらのは笑い話で済んじゃったからいいけどね。土曜日にはtamuさんが管理橋のあたりで転倒して、鎖骨骨折の大怪我をしてしまったのだ。みなさんも気をつけて滑りましょう。


 などとバタバタやっている間に、とうとう1Day130kmまで1週間に迫ってしまった。
 脚を攣らせて溺れかけたり人工芝に突っ込んだりしてるバアイじゃないんだよな、ジッサイ。
 来週の今頃、自分がここに何を書いているかは想像だにつかないけど、唯ひとつ間違いなく想像がつくのは・・・・・





 タダじゃすまないだろうってコト・・・!

 乞うご期待。



Diary Oct.8 変わってる人達


 さてスポーツオーソリティの7,980円のST-Oneの話だが、どうやらガセであったらしく、実はST-70が9,800円の間違いであったらしい。それでもメタメタに安いことには間違いなかったが、数もなかったし、第一物が違うので、私の買い物依頼は一応キャンセルということに相成った。それにしても同じスポーツオーソリティでUNOさんRB Coyoteを1万円台前半でGETしたというし、ロンドンスポーツは相変わらずだしで、最近とにかく滅茶滅茶オイシイ話が多い。安いこと自体は嬉しいんだが、ここまで採算外で売られると、逆に業界全体の先行きが不安になってしまうよな。
 まあそんな社会派な憂うつはさて置き、相変わらず休日出勤であり、天気予報は朝からバリバリの雨であったが、川崎商会(ダンナ&ちえ蔵さん)に渡した1万円を返してもらわないといけないので、私は仕方なく、お昼休みに道満へと向かうことにした。

 つーてもさすがに誰もいないかもしれないな。まだ雨は降ってないけど、降水確率は一日中80%だしな。こんな日に滑っているヤツはそんなにいないだろう。駐車場にレガシーがとまってたら、恐らくダンナが東屋で一人寂しそうにオープンの練習でもしてるかもしれないから、行ってそのサマを見て笑ってやろう・・・などと、逆に勝手な想像に私のモチベーションは上がっていくのである。
 北駐車場へのスロープを下っている間に、クルマのフロントガラスに小さな水滴が当たりはじめた。まだもうちょっとはもちそうだが、時間の問題かもしれないな・・・・なんて考えながらに駐車場にクルマを入れると、案の定ダンナのレガシーがとまっている。降水確率80%だというのに川崎から躊躇せずクルマでやって来るのだから、やっぱ変わってるよな、人として。
 それにしても雨粒はどんどん大きさを増していく雰囲気なので、急いでFifthElementを履いて東屋に向かうことにした。もちろん一人で寂しく雨に濡れているダンナを笑ってやる方向で・・・。んが、状況はこちらの想像を遥かに越えていたのであった。

 なんだかすっかり本降りになった中を東屋に辿り着くと、果たしてそこには20人ばっかりの人がわらわらと群れているじゃないか!なんでやねん?晴れてる日より多いじゃん。やれやれ、みんな変わっているよな。つうか、普通じゃないでしょ?
 その大きな原因となっていたのが、小金井公園から遊びに来てくれた、MAEさんをはじめとするグループだ。なにもこんな日を選んで遊びに来なくてもいいだろうに、来てしまったのである。とにかくこの日を予定していたので、初志貫徹なのである。私などは見習ってきたいほどのガチンコさだ。あとは朝練残りっぽいはまちゃんやら290さん。あとpinさんあたりの姿もある。どうにもみんな変わり者だね。まあそんな人達と一緒に雨の中で逆Tストップの練習している私も、あんまり人のコト言えないんだけどね。

 なんにしてもさすがに滑ってるどころじゃない降り具合になってきたので、来た早々ながら、さっさと撤収することにする。やっぱスケートは晴れた日にやらにゃあいかんよ。変わり者のらく印を押されないようにしないとね。なんて思った横を、四条さんが水しぶきをあげながら、悔しさいっぱいに通り過ぎていった・・・・。滑り足りないのネ。


 ちなみにもうらく印を押されちゃったのは、道満周回用に4種類の3輪スケートを用意したと豪語するUNOさんだよな。いくらなんでも、これはもうアウトでしょ?



Diary Oct.6 癒し系スケーターの憂うつ


 すっかり秋めいてきた。天気予報によればこの3連休は天気も良く、涼しくて過ごしやすい、いわゆる行楽日和というものになるだろう・・・というのは世間一般の話である。いつもスナネズミのケージの中のようにわらわらと忙しいウチの会社においては、行楽日和などという言葉は全く無意味であり、ある意味むかつく言葉でもあり、遠い目をして南の空を見つめて、『あの空の下にはエメラルド色の海と真っ白な砂浜があるんだナ〜』などと思いつめた顔でつぶやいてしまっちゃったりする原因となったりするものでしかないのだ。
 というわけで、今日も毎度おなじみの、昼休みに会社を抜け出してのご出勤である。今日は
まゆねこさんサトウちゃんが遊びに来るということなので、最近癒し系スケーターとしてぶいぶい売り出し中である私としては、やはりきっぱりお出迎えせねばならないだろう。

 正午ちょっと過ぎに北駐車場にクルマを乗り入れると、駐車場はかなり空きが目立つ。つーか、ガラガラだ。この陽気だというのに世間の連中は何を昼過ぎまで惰眠を貪っておるのかッ!せっかくの休日なのだから、朝早くからめいっぱい道満グリーンパークを満喫せずしてなんの庶民かッ!とジジイのように文句など述べつつ坂を上ると、やっぱりかまきり広場前も人があまりいない。ただスケーターの数だけは、いつもとさして変わらなかった。
 最近には珍しく正午からパイロンの立っている東屋に行くと、
すーGさんやらちえ蔵&ダンナちょっきーさんあたりの他に、妙にわらわらとアースビートの人達がいる。昼のこのような時間に、こんなに沢山の立派な太股を見たのは初めてである。
 それにしても誰も彼もスピードにはまりこみすぎて、『近ごろ道満ではスラロームが下火だ』なんて噂までたっている罪悪感からか、最近は今さらながらにパイロン練習を始める5輪ジャーの人達が増えている。その筆頭であり、最近スラ用にわざわざライデルを買ったすーGさんは、なぜかオープン関係がいただけない。つま先を両方内側に折り込んでコンニチハをすることが出来るほどのすーGさんであるのに、オープンだけはなぜかヘボヘボなのである。ちなみにダンナもいただけない・・・なんてトコを見ると、スピードの筋肉で腿が固まると、オープン系に悪影響を及ぼすのか?などという仮説も持ち上がってくる・・・ワケが無いわな、やっぱ。
べるさんを忘れてたワ。

 さて、私らが脇ですっかりヘボヘボなスラローム練習をしていると、どういうわけだかアースビートの人達が、突然パイロンを並べだした。黙ってみていると、なんだか
でけェ。インライン用のパイロンに加えて、なんと工事現場で使うような普通サイズのパイロンが結構な数混じっているのだ。でも子供から見たら、普通のインライン用のパイロンってこんなぐらいに見えるんだろうな〜ということで、例によって馴れ馴れしく、ちょっとクロスやらしてもらっていいスか〜♪などと、挑戦してみちゃったりしたりした。当然、内股に当たってうまくいかない。ちえ蔵さんだのすーGさんだのはなんとか通過するのだから、技術の問題か?

 「いや、脚の長さでしょ?」
 などとどこかのドイツが余計なことを言ったが、全く余計なことだ。
 「オトコは袋があるからうまくいかないんだナ」
 などという
ナカネ師匠のハイパーなギャグも小耳に挟みつつ、もう一度チャレンジ!んでも上手くいかないんだな〜。どうやらクロスした後エッジを内側に向けるテクがキチンとで来ていないらしい。たまにはこういう事をしてみるのも、自分の欠点とかが良く判っていいものだ。決して脚の長さじゃないぞ
 実はこのパイロン、長良川のスラローム競技の練習であるらしい。やってることはスラロームというよりも、むしろスキーの回転競技あたりに近い。パイロンの間隔も3mと広く、とにかく全速で突っ込んでいってぶいぶい回っていくのだ。やってみるとこれがなかなか面白くて、アースビートの人達が気さくなのをいいことに、間に入ってバンバンチャレンジしてしまった。が、すげ〜疲れるでやんの。すぐにバテて東屋でつぶれてしまうのに、ものの5・6分とかからないんだから情けない。

 な〜んてやっている横を、周回中の
四条さんが何度か通過していく。最近はウエアーもしっかり決まってきて、なんだかアースビートの人達とあんまり区別がつかなくなってしまった。つうか、アースビートの人達自体が『最近彼は凄いね〜』なんていっているぐらいだから、とにかく凄いのだろう。まあ私から見ればみんな新幹線ですから、どこがどう凄いのやら区別なんてつかないんですけどね。

 んですっかりモチベーションが無くなってしまったので東屋でダラダラしていると、面白い話を聞く。なんでも神奈川の方のスポーツオーソリティで、
SalomonST-Oneが7,980円で売られているという、よだれの出そうな怪情報である。くそ重くて筋肉を鍛える事以外にはさほどの役にも立ちそうにないFifthelementに辟易している私としては、そんな値段でST-Oneが売っているなら是非とも手に入れていきたい。つうか、安いところでも2万円台中盤で売っているブーツだ。ここで買わないテは無いでしょ。即座にその場で川崎のダンナに万札一枚を手渡しし、ひとつ頼むよ!と、例のごとく拝みを入れてしまったのだった。
 聞くとすーGさんも欲しそうな事を言っている。だけどアナタFifthelementに加えて
Majestic12まで最近買ったでしょ?3つも買ってどうするのさ?これだから靴ジャンキーは困るな〜。

 なおもだらだらしているうちに、そろそろ会社に戻らねばならない時間になってしまった。まゆねこさんもサトウちゃんもまだ現れない。このまま帰っては癒し系スケーターの立場はどうなる・・・と、後ろ髪を引かれながらも、仕方がないので一旦この場を離れることにした。


 定時の5時でさっさと仕事を切り上げたが、最近はすっかり日が落ちるのが早い。宵闇が迫りはじめた中を東屋に向かうと、駐車場でダンナ&ちえ蔵さんと、カマキリ広場前で
yokkoさんとすれ違った。なおも先に進むと、今度は3人組がてくてくとこちらに歩いてくる。真ん中を歩いていたまゆねこさんが、こちらを見て声を掛けてくる。
 「はむしんさん遅いよ〜」

 などと、お昼の12時から待っていた人に言うのだから困りものだ。遅いのはあんさん方でんがな。ちなみに他の二人は花火ラン以来のshinさんと、kazuさんだった。ちなみにサトウちゃんは、いきなり気持ち悪くなったんで、すぐに切り上げて帰っちゃったんだとか。なんか江の島以来ヨロヨロしている話しか聞かないな〜、大丈夫かよ?光合成がたりないんぢゃないか?
 そういやまゆねこさんと会うときはいつもHYPNOを履いていたので、私はHYPNOだけの人だと思われていたらしい。この日はK2 Velocityを履いていた私を見てびっくりしていたが、道満にくる人々は ね〜、靴持ちが多いのヨ。5足を越えてやっと一人前という、異様な世界なのヨ。6足持ちの私なんてまだまだ下っ端つーかね、一応ワンジャンルワンシューズを守っているんだからマトモな方なのヨ。なんちゅ〜ハナシをする。
 てな感じでおもてなしは殆ど出来なかったが、みなさんそれぞれに道満の路面を満喫できたようだし、まあいいでしょ。また来てくださいね〜♪
 東屋までいくと、りょおさんくまさん、ちょっきーさんと桂馬さんが残っていた。みんな明日のりんりんロードファミリーランに出る予定なんだよ♪と楽しそうにしている。行けない私は悔しかったから、明日皆さんをエスコートしてくださるZAZU姐ェがいかに優しくて芯が強く、常に全力投球な素晴らしい人かを懇切丁寧に教えてさしあげてウサを晴らしたのであった。けけけけけ(癒し系のハナシはどうなったんだ?)。


 それにつけてもゆっくり滑りたいもんだよな。












 それにしても次の土曜日はもう1Day130kmだというのに、脚攣ったり人工芝に突っ込んだりして遊んでるバアイじゃあないよな、ジッサイ。来週の今頃はどんな顔でいることやら・・・。


 う〜、プレッシャー溜まってきた・・・・。



などと焦ったが、今回は別に足が攣ったわけではない。暫く沈んでからようやく理解した。